中川淳一郎「ネットのバカ」/ネットは夢のツールではありません

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ツイッターで世界に発信できた。フェイスブックで友人が激増した。そりゃあいいね! それで世の中まったく変わりませんが……。ネットの世界の階級化は進み、バカはますます増える一方だ。「発信」で人生が狂った者、有名人に貢ぐ信奉者、課金ゲームにむしられる中毒者、陰謀論好きな「愛国者」。バカだらけの海をどう泳いでいくべきなのか。ネット階級社会の身もフタもない現実を直視し、正しい距離の取り方を示す。

p24~25
【ネットに関する基本4姿勢】
・人間はどんなツールを使おうが、基本的能力がそれによって上がることはない
・ツールありきではなく、何を言いたいか、何を成し遂げたいかによって人は行動すべき。ネットがそれを達成するために役立つのであれば、積極的に利用する
・ネットがあろうがなかろうが有能な人は有能なまま、無能な人はネットがあっても無能なまま
・1人の人間の人生が好転するのは人との出会いによる

ネットの誕生により世の中は変わったように見えます。今まで日の目を見なかった人がネットを使って成功者となったケースもよく見られるようになりました。しかし、ネットは決してドラえもんの道具のような奇跡のツールではありません。ダメな人はダメなままだし、有能な人はネットの本質を見抜きうまく利用できます。

p91~92
電通が2013年2月に発表した2012年の日本の広告費の媒体別金額と前年との比較は次のようになっている。
テレビ 1兆7757億円(前年比103.0%)
新聞 6242億円(同104.2%)
雑誌 2551億円(100.4%)
ラジオ 1246億円(堂99.9%)
インターネット 8680億円(同107.7%)

テレビの影響力は圧倒的です。今まではメディアといえばテレビというイメージでしたし、一家に一台以上テレビがあることもざらでしょう。そのテレビを追い越さんばかりの勢いで成長しているのがインターネットです。すでに新聞を越えています。これからはインターネットをいかに使いこなすかが生きるうえでの重要なファクターとなってくるでしょう。

p96
基本的にネットで多数のアクセスを稼ぐネタは「芸能、スポーツ、エロ、制度改正など自分の生活に直結するもの」「路上喫煙や生活保護費の不正受給などモラルを問うもの」

芸能やエロが目を引くのは昔からそうでした。今までと変わっていません。しかし生活保護、女性専用車両、韓国といった内容はネットがなければここまで広まることがなかったと言えるでしょう。なぜネットがこのような話題が好きなのか。それはツイッターにせよなんにせよニュースと同時に議論する場を提供されるからではないでしょうか。

p123~124
【ネットでウケる12ヶ条】
1.話題にしたい部分があるものの、突っ込みどころがあるもの
2.身近であるもの、B級感があるもの
3.非常に意見が鋭いもの
4.テレビで一度紹介されているもの、テレビで人気があるもの、ヤフー・トピックスが選ぶもの
5.モラルを問うもの
6.芸能人関係もの
7.エロ
8.美人
9.時事性があるもの
10.他人の不幸
11.自分の人生と関係した政策・法改定など
12.ジャズ喫茶理論に当てはまるもの

芸能やエロは上にも出てきていますしニュースのタイトルにこのような内容があれば思わずクリックしてしまう人も多いんじゃないでしょうか。他人の不幸ネタが受けるというのは非常に面白いと思います。人間はそういうネタが好きなのです。ジャズ喫茶理論というのは自分が聴きたい曲をかけるのではなく、通だと思われたい曲をチョイスするというものです。このニュースをチェックしている自分って結構カッコイイんじゃない?と悦に浸れるというわけです。

p167
悪意がない場合は、一緒に楽しむくらいの姿勢を見せた方が後々トクをするということだ。

企業のツイッターなどはひたすら事務的なことをツイートするばかりというのが多く、見る方としてはまったく面白くありません。そうじゃなく他のツイッターユーザーと一緒に遊ぶくらいのフランクさがあった方が注目されやすいです。仕事としてツイッターをやっているのであれば冗談を言うことはためらわれますが、そういった姿勢ではネットでは人気が出ません。

P172
「中の人」をやる時は、(略)NG要綱を守るだけでいい。(略)「人の悪口を書かない」「競合商品を悪く書かない(ただし、ホメるのはOK)」「『お前』などといった乱暴なことばは使わない。『みんな』と言う」

「〇〇をしろ」という指示でツイッターなどをやる場合は、その〇〇しかできなくなってしまいツイートする方も見る方も面白くありません。「△△をするな。それ以外は何をやってもいい」という自由なスタンスの方がネット文化には合っているということです。

p199
書籍を今こそ読むべきだと思う。というのも、ほとんどの書籍は大抵1万部以下しか売れない。ベストセラーと言われる書籍でも10万部いけば御の字である。ということは、書籍を読むと知の差別化ができるのである。

ネットがあれば本はいらないと考えている人もいるのではないでしょうか。ネットで得られる知識は膨大で検索すればありとあらゆることがわかります。しかし専門的な知識を得たいと思うのであれば書籍は欠かせません。本があまり売れない時代だからこそ本を読むことで他の人たちよりもアドバンテージを取ることができるのです。


「ウェブはバカと暇人のもの」で知っている人もいるかもしれません。中川淳一郎さんの本です。インターネットの第一人者として知られる著者が書いていることは挑発的ともとれる内容で反感を持つ人もいるかもしれません。しかし言いにくいことをズバリ言う中川さんの姿勢に爽快感を覚えるのもまた事実です。ネットを利用している以上はネットに興味があるでしょうから一読してみると新たな発見があるのではないでしょうか。

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