岡田斗司夫「僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない」/会社に勤める時代はすでに終わっている

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就職がしんどい――よくよく考えれば異常。内定が出ない。苦労の末に入った会社はブラック企業。転職も厳しい。いつの間に日本人は、こんなに「仕事」で悩むようになったのだろう。

どうやら僕たちは「働く=就職」と勝手に思い込んでいないだろうか。なぜか。安定した収入が欲しいから。じゃあ、それは食うため? 好きなことをするため? ところでお金って、そんなに必要なの?

その未来で生き残るには、コンテンツ(能力)、コミュニティ(人間関係)、キャラクター(人柄)の「3つのC」が必要です。そして、3つのCを活かして、「就職」ではなく「お手伝い」をするのです。報酬があるものから持ち出しのあるものまで、何十個もの仕事を同時にこなす――それが結果として、人生に安定をもたらします。

第1章 もう就職できないかもしれない
第2章 でも、そんなにお金は必要なのか?
第3章 お金は動かなくても経済はまわる
第4章 「お手伝い」という働き方
第5章 最後は「いい人」が生き残る
終 章 あらためて就職を考えよう

就職や仕事の問題に悩んでいるみなさん、「仕事サーファー」「愛されニート」という生き方を選んでみるのはどうですか?

p14
製造している部品の一〇パーセントに不具合があるということなら、それはその工場のどこかに問題がある、と考えるのが自然です。同様に、大学生の一割ぐらいが就活で困っているなら、個別の学生や大学側の姿勢を疑うのはアリでしょう。

仕事を機械に奪われた結果、働きたい人が全員働けるという時代はすでに終わってしまいました。ITの発達によりコンピューター関連の仕事は増えたものの、なくなった仕事を埋めるほどではありません。

そうなるとパイの奪い合いとなり仕事にありつけない人はどうしても出てくるでしょう。高学歴が百人いたらいくら学歴が高かろうとも十人落ちるわけで、その十人を落ちこぼれとするのは酷ではないでしょうか。

また、就職するためには面接や自己アピールのうまさが必要不可欠です。仕事のスキルは人より優れているのに対人面が不得手なせいで損をしている人も世の中にはたくさんいるはずです。就職できなかった人を一概に「社会不適合者」とか「落ちこぼれ」としてしまうのはあまりよくないと思います。

p28
二〇〇九年、「日経ビジネス」は新しいデータを公表しました。
その後企業の寿命はどれくらいになったのか?
(略)
日本の企業で七年、アメリカの企業で五年。
企業の寿命が短くなると同時に、人の働き方も変わりました。

かつて、ウェブデザインの仕事がこれから流行るだろうと考えた人は多数いて、実際にたくさんの会社、個人がウェブサイトを設立するようになりました。ところがgoogleの「みんなのビジネスオンライン」があればウェブデザイナーに仕事を頼まなくてもウェブサイトを作れてしまいます。一部のウェブデザイナーは生き残れるでしょうが大多数は仕事がなくなる時代がすぐそこまで来ています。

かつて検索エンジンのトップだったyahooは今やgoogleに取って代わられました。そのgoogleもどこまで勢いを維持できるかわかりません。十年後にはgoogleは過去の会社となっているかもしれません。

ITの世界以外でも同じことです。例えば農業は海外に仕事を奪われていますし、製造業も中国で生産した方が安くあがるからメイドインジャパンが少なくなりました。

かつての終身雇用、安定した仕事は過去のものなので価値観が変わらないと今後は生き抜いていくことが難しくなってくるでしょう。

p95
ほんとうは、だれもが「正社員という立場」にこだわっているんです。
「結婚したらリア充」(「リアルが充実している」という意味)だと言われるのも同様で、人は「結婚している」という立場を欲しがります。

非正規雇用が増えていますが、相変わらず正社員は立派とか正社員こそ一人前といった価値観が今も根強く残っています。親から正社員になりなさいという教育を受けてきた人は多いでしょう。ですが親の世代の生き方が今も通用するわけではありません。

何の為に働くのかと聞けば大多数がお金、もしくはやりがいと答えるでしょう。しかし気が付かないうちに正社員という立場がほしいと考えている人は多いのではないでしょうか。

p116
これまでは「単職」の時代でした。単職時代、僕たちは一つの仕事に就き、一つの企業で働いていました。ところが、これからは「いくつもの」仕事をもつしかない「多職」の時代になります。ここにしかゴールはありません。

一つの仕事だけで生活していたら失業した時一気にピンチになってしまいます。ですが複数の仕事を持つことによって安定性は飛躍的に高まります。

副業というレベルのものをやってもいいですしもっと小さなことでも構いません。例えば何かを手伝う代わりにご飯をおごってもらうとか、引っ越しを手伝って貸しを作るとか。小さなことをたくさんやって自活できるだけの収入を得る生き方はありでしょう。

p138
そう、この日本は一人が一人を食べさせていけない時代になりつつあるのです。
(略)
つまり、これまで恐れていた貧乏を肯定するしかないんです。

1970代に一億総中流という言葉が流行りました。今は一総貧乏とでも言えばいいんでしょうか。立派な仕事についてサボることなく真面目に働き続けても貧乏から抜け出すことはできません。

収入を増やすことができなければ支出を減らすしか方法はないでしょう。お金のある時代の豊さを今の時代にも適用させようとするからアンバランスになってしまうのであって、本当に必要なものだけを買っていれば貧乏でも生活は成り立つはずです。

p151

人間の値打ちは、三つのCで決まる──これが最近の僕の考え。
「コンテンツ」と「コミュニティ」と「キャラクター」の三つです。

コンテンツはスキルと呼ぶとわかりやすいです。ウェブデザインから家事から掃除まで。広い範囲のスキルがあるといいでしょうね。

コミュニティは人脈です。世の中は人を雇うほどではないけど手伝ってほしいということであふれています。そういう時「どこかに働き口ないかな?」と聞けば「ちょっと手伝ってほしい」と返してくれるような人脈があると理想です。

キャラクターは性格です。あの人は真面目に仕事をしてくれるとか、気が回っていい人だとか、礼儀正しいとか。仕事を任せても大丈夫だと思えるようなキャラクターがあれば困ったときにも助けてくれるようになります。

親世代が生きていた時代は高度経済成長でこれから豊かになろうという時代でした。今は豊かさが飽和しすぎて原点に立ち返ろうとしています。まったく違う世界なのですから親の生き方を真似しようと思ってもうまくいくはずはありません。

究極的なことを言えばタイトルにあるように就職すらしなくてもいい。仕事しなくてはいけないという先入観で苦しんでいるのならそれを捨てて楽に生きた方が幸せです。

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今の時代を生きている多くの人は「仕事」について悩んでいます。仕事が面白くない、人間関係がギスギスしている、仕事内容が合わない、残業が多すぎる、給料が安いなどなど。

これから先も不満を抱えながらも我慢して生きていくか、それとも大胆に仕事をやめてみるか。この本は今までとは違った切り口の生き方を探るための一助になることでしょう。

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